二条のSSブログ

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久々に更新

最後の更新は2013年。2年半更新して来なかったんですねぇ……。まぁ、SS自体書かなくなっちゃったし、仕方ない。

でも、SSというものを自分で書いてネット上に上げたのが、18歳の時。あれからもう10年以上経ちました。早いものです。

大学生になり、社会人になり、転職を経験し、今に至ります。三十路を迎えようという頃、ようやく落ち着いた生活が迎えられています。

最近は昔のことを振り返ることが多く、学生時代の友人知人のことを思い返しています。また馬鹿みたいに一緒に騒げたらなぁ、なんて。

SSをまた書いてみても昔とは違った作風になるかもしれませんね。



ちなみに。
最近の私はすっかりラブライバーです。
渚さんとは離婚しました。
私の今の嫁は園田海未ちゃんです。
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可愛いでしょう?

そんな近況でした。

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# by nijou-kouki-0326 | 2016-06-30 10:22 | 徒然なる日記

生存報告

生存報告です。

えぇ、生きてますとも。

Twitterでkeyssなるものにちょびっとだけ投稿してみたんですが(反応はイマイチでした汗)、またなんか書きたくなってきました。

来年はCLANNAD10周年ですし、なんかやりたいなぁと思ってます。せめてSSだけでも書きたいと思います。頑張りますとも。
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# by nijou-kouki-0326 | 2013-11-06 08:17 | 徒然なる日記

終わりの世界から

 超久々の更新。
 もはやこのブログを訪れる人などいるのか……。もはやそういうレベルの放置っぷりorz

 さて。
 久々の更新はCLANNADではなく、『終わりの惑星のLoveSong』から、「終わりの世界から」です。
 だーまえ信者の方なら知っているかと思いますが、あの歌の世界をSSにしてみます。
 女の子のキャラが弱冠変わってしまってますが、そこはご愛嬌ということで。





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 笑いあえるってすごく幸せなこと……

 それをきみから教えてもらえたんだよ……











     終わりの世界から 一











 彼のことはなんでも知っているつもりだった。

 それはもう、他の誰かに負けるとは思わないくらいだ。

 小さい時からよく一緒に遊んでて、もう一緒に入るのが当たり前になっていた。
 それは彼にとっても同じらしく、「今さら不自然とも思わない」なんて冗談を言い合ったりもした。
 よくある幼馴染みのような関係。そしてよくある恋愛なんだと思う。

 「今さら不自然とは思わない」意識が、好意に変わったのは多分わたしが先。
 一緒にいる幼馴染みの友達じゃなく、男の子として意識してしまった。

 長いこと付き合ってきたからこそ……あ、付き合うって言っても恋人とかじゃないんだけど。ああ、でも、もちろんいつかはそうなりたいな、って。
 そう、恋人になりたいって意識してしまったんだ。もっと近い存在になりたいなって。

 うん、きっと恋人になったら、いつもの当たり前がもっともっと情熱的なものになるに違いない。どうしよう、彼からあんなことや、こんなことをされるかもしれない。それはそれはとても情熱的な!

 いやいや、待て待て。
 落ちつけ、わたし。まだそういう関係になったわけじゃない。
 それに、これは多分わたしの一方通行な気持ちで、彼の気持ちは全くわからない。

 だからわたしは、彼の理想的な女性になろうとした。
 こういう服装をしたら、こういう喋り方をすれば、こんな行動をとれば……エトセトラ。
 そういうのに、近づきたいなって、ずっと思って近くにいた。

 でも、彼はやっぱりかっこいいからライバルも多い。
 クラスの女子の何人かが彼に熱烈な視線を送っていることだって知っている。
 けど、そんなのは無駄! わたしは見せつけるように一緒に帰ったり、お昼ごはんを一緒に食べたり。そうやってライバルを諦めさせてきたんだ。

 もちろん、わたしの見せつけに屈せず果敢に彼にアタックするライバルもいた。
 わたしだって、それはそれはハラハラした。けど、一蹴される。

「ごめん、俺、他に好きな人がいるから」

 決まり文句のように彼は言う。
 三人くらい、そうやって彼への思いを散らしていった。

 一度だけ、彼には「それって本当なの?」と聞いてみたことがある。
 そしたらね、「そんなわけない、そう返せば諦めてくれるだろ」とのこと。つまり、方便だ。

 よかった、とは思うケド……。やっぱりわたしはただの幼馴染みなのかなぁ……。
 デートも何度もした。学校ではお昼を一緒に食べたり、一緒に登校したり下校したりもした。ライバルたちに比べれば、きっとわたしは彼の近くにいる。
 でもそれは、彼にとっては恋人との接し方ではないようだ。

 いつか気持ちを打ち明けなければ。幼馴染みじゃなくて、きみの恋人としてデートがしたい。そう思う……思うんだけど……。

 彼から相談を受けたのは、二年生に進級しようというタイミングだった。
 ちょうど桜が咲いて、花びらが舞う頃だ。
 桜が空の青を彩るように“彼女”が現れたのだ。

「俺、好きな人がいる」

 珍しく改まってそんなことを言うから、戸惑った。

「何? 急に」

 声は震えてた。怖くて震えてた。

「……そのまんまだよ。お前に相談したくて」

「そ、そうなんだ」

 もっと震えた。振り絞りすぎてもう出ないと、震えた。

 あぁ、今までのは方便じゃなかったんだ。彼には本当に好きな人がいて、どうやら、それは私ではないのだ。

「年上の、ちょうど……」

 わたしを見ていた。わたしに誰かを重ねるみたいに。

 わたしは逃げ出してしまった。そんな目で見ないで。わたし以外の女の子を見る目を向けないで。

 でも……。
 彼の言葉を最後まで聞かないと。
 わたしを信頼してくれるからこそ、彼はわたしに打ち明けてくれたんだ。

 でもでもでも。
 そんなキレイゴト。わたしの気持ちは納得しない。

 走って走って走って。
 どこを走ってるのかもよくわからないくらい走って。

 息が切れる頃に顔を上げた。
 世界が視界に入った。
 世界の彩りが、憎らしいと思った。
 世界は美しいなんていった人がいたけど、それは幸せな人が見る世界だ。
 わたしの目に映る世界の彩りは妬ましいばかりだった。

 あぁ。いっそ巻き戻してしまおうか。世界の彩りがこんな風に染まる前まで。
 もっと彼の目にわたしがうつるように。わたしのことが好きになるように。

 神様にでも祈るように。わたしは両手を結んで願ってしまった。こんな色の世界ができるより前に戻れるように。

 そして、世界は本当に一変してしまった。







 続く
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# by nijou-kouki-0326 | 2012-09-04 11:22

父親困惑日記【再掲】

 ……お久しぶりです。

 えらく放置しましたが生きてます。

 という記事だけ残して消えようかとも思いましたが、せっかくなので一作だけup。

 杏パパという随分昔のオリジナルキャラを混ぜた作品になります。






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 放任主義。


 子供を育てる際に教育熱心な母親がよく口にする言葉の中で、私がよく耳にするのはこの言葉だ。子供の自由にさせてやるという意味で使われるようだが、私はあまりいい育て方だとは思わない。社会に出てそんな自由に振舞えるわけがないし、自由は大切だが責任感を伴うものでないと意味がないように思われるからだ。幼い子供がその意味まで考えて自由に選択しているとは思えない。

 では、自分はどうだ? 私は自分の子供たちをそんな社会に出しても恥ずかしくないと言える育て方をしてきただろうか?
 かく言う私も二人の子供たちには自由にさせてきた。子供たちが興味を持った物には極力触れさせてやるようにした。
 もちろん、いけないことまでさせたりはしなかったし、時には怒ったりもした。

 姉の方は好奇心が旺盛でなんにでも興味を示した。それが災いして怪我しそうになったりもした。
 妹の方は全くの逆で、興味こそ示せど、怖がって実行に移そうとしなかった。後になってからやっぱり欲しいといって困らせたりもした。



 先行き、心配ばかりだった。
 正直、人に自慢できるほど子供をしっかり育ててこれたのか、自信はない。
 それでも、二人はのびのびと育ってくれた。だから、これでいいと思い、私も母さんも二人には自由にさせた。

 中学生になって、進路のことで考えるようになった時も私は特にあれやこれやと指図したことはない。
 もっとも、寂しいから全寮制とかやめてね? くらいは言ったかもしれないが、これくらいならは束縛にはあたらないだろう。やはり、二人には好きにさてやったはずだ。
 幸い二人とも大人の考えに少しは理解を示してくれたらしく、家からそう遠くない進学校に進んでくれた。
 勉強もしっかりやっていて、クラスの委員長を任されたりもした。

 そうかといって勉強漬けかというとそうでもない。
 二人とも女の子らしくファッションやなんかにも興味を示していたし、中年の私から見ても決して悪いセンスではないはずだ。

 これからも二人に関して口を挟み過ぎないようにしよう。
 時々、相談にのれてやれれば、それでいい、そう思う……思うんだけどね……。
 父さん、二人にはどうしてもやめてほしいことがあるんだ……。



 杏……。

 髪を椋そっくりに切るやつ、勘弁してくれません……?











     父親困惑日記











 二人の様子がおかしいことには前々から気付いてはいた。
 朝も、以前まで毎日とまで言わないが一緒に登校することが多かったはずなのに、どうしてか杏の方が早く出たり遅く出たりと妙に不規則になりだした。椋の方も朝早くに起きて苦手のはずの料理に手を出し始めた。最初はお互い楽しげにしていたから、また二人で楽しいことでも見つけたのだろう、勝手にそう判断した。

 だが、それは段々異質な空気へと変わっていった。二人の態度がなんとなくよそよそしいもの様な気がした。
 そのことについて私は何度か母さんと話をした。大切な愛娘二人の元気がないのだ、母さんとて心配する気持ちは同じだった。加えて二人は受験も控えている。さすがの私も、口を挟みたくなった。

 しかし、私が何かしようとすると、決まって母さんは

「放っておきましょう」

 というだけだった。だから結局、何もしなかった。

 だが、その我慢の限度も遂にやってきた。
 家に帰ると私は愕然とし、手にしていたカバンも思わず落とした。

「…あ」
「…あ」

「……りょ、椋?」

「お、おかえり……」
「お、おかえりなさい……」

 二人揃って恥ずかしそうに笑みを漏らす。
 二人いる、椋が……。

 唐突過ぎる出来事。
 私はすぐさま親父権限を発動させ、緊急家族会議を招集した。





 夕食後、母さんも交えて居間の食卓テーブルに集まった。

「さて……まず早速だが…」

「……」
「……」

 二人ともじっとして動かない。
 こうして髪を切られると、本当にそっくりだということがわかる。

「杏……」

「……はい」

 右側が杏かと思ったら、左側の椋が返事をする。
 いや……マジでどっちかわからんよ……。

 しかし、この雰囲気……。
 今なら父の威厳で何を言っても許されるような気がする。

「アフロにしなさい」

「……は?」

「だからアフロ」


 どぐしっ。


「ひどっ! 杏ちゃんひど! パパに向かって鉄拳っ!?」

「何トチ狂ったこと言い出すのよっ! このクソ親父っ!」

「そうか、こっちが杏か!」


 どぐしっ。


「人の反応で遊ぶんじゃないわよ……」

「お姉ちゃん、それ私の英和辞典」

「椋ちゃん? 辞書じゃなくてパパを心配して……?」

 椋が心配するのは辞書の方らしい……。

「いきなりアフロにしろってのはどういうことよっ!?」

「……どっちがどっちだかわからないじゃないか。今から伸ばすのも無理だからいっそアフロに……」

「親なら見抜きなさいよねっ!?」

「……限度があるだろう」

 一応リボンという手もあるが、それでも前のような一目でわかるものとは違う。
 それをいきなり切られてはこっちが困惑する。

 杏と二人でマジ喧嘩。
 鼻血を流しながらのトークはかなり滑稽かもしれない。

「ならキンキンにしようっ!」


 どぐしっ!


「杏……そろそろパパの鼻折れちゃうよ……」

「いっそ粉々に砕いてあげようか……? どうしてあたしがどっかのヘタレみたいな頭にしなきゃいけないのよっ」

「お、お母さん」

 横でひたすら辞書の心配をしていた椋が母さんに助けを求めた。
 ここまで黙っていた母さんが口を開く。

「ま、父さんのギャグはおいといて」

「私はいつだって本気だ」

 ボキッ。


「鳴ってはならない音がぁぁぁっ!」

 母さんの手刀が私の鼻をクリティカル。
 そんな私を無視して母さんは続けた。

「今から言うことは私の決定事項です。二人に拒否権はありません」

「……」
「……」

 二人して真面目な顔つきに戻る。
 こういう時の母さんには誰にも逆らえない。
 冷静な顔つきで、凄みがある。

「私と杏と椋の三人でお風呂に入ります」

「……えぇ?」
「……はぁ?」

 突拍子の無い提案。
 私のアフロにも退け劣らない。
 不自然なくらいの笑顔を振りまきつつ、母さんの言葉は問答無用に続く。

「たまには女三人で裸の付き合いというのも悪くないでしょう」

「それなら家族4人で仲良k……」


 ベキッ!





     §





「狭いよ、お母さん…」

 小さな浴槽に私と椋でお風呂に浸かる。
 お互いが足をたたまないと収まりきらない。

「気にしたら負けよ」

「誰と戦ってるのか分からないよ」

「いいの。だから気にしたらダメ」

 すぐ横では杏が大事そうにその短くなった髪を洗っていた。
 長い髪の手入れの仕方は私の直伝だったけど、今ではその必要もない。

「終わったよ」

「そう、じゃ、次はお母さんね」

 入れ替わりで今度は杏が浴槽に浸かる。シャワーの蛇口を捻り、ゆっくりと髪を洗っていく。
 以前の杏ほどではないけれど、私の髪も背中の真ん中に達するほどの長さがある。
 『キレイだね』と最初に褒めてくれたのは杏だった。
 『じゃあ杏も伸ばしてみる?』思いつきで出た私の提案に小学生だった杏は嬉しそうに頷いてくれた。
 区別しやすくて便利かも、なんてのは後からついてきた理由だった。

「さて、と…」

 体を鏡から浴槽へと向け、お風呂に浸かる二人を見つめた。
 ……本当にそっくりだった。
 私でも、区別は難しい。

(まぁでも……)

 胸は……椋の方が立派、かな。ここは椋が私の遺伝子を受け継いだということになる。ちなみに、まだ私の方が大きい……はず。
 ……って、どこを見てるんだ私は。

「単刀直入に訊こうか。杏……その髪、どうして切ったの?」

 答えにくそうに顔を赤らめる。

「……イメチェン、かな?」

「杏」

「……ぁぅ」

「私だって本当に気分転換で切ったっていうならこんなにも心配はしないわ。でもこれは父さんも含めてだけど、最近の二人を見ているから言うことなの。
 こういったらなんだけど、最近の二人はあんまりいい雰囲気じゃなかったでしょ? 二人はもう大人なんだって、二人に任せようって、そう思ったから今までは干渉はしなかったけど」

「……」

「だけど、その髪。もう放っとけないわ、親として。女の子にとって髪を切ることがどういうことか、私にだってわかってるつもり。それに、杏は自分の髪をとても大事にしてたでしょ?」

「……うん」

 ブクブクと顔をお湯の中に沈めていく。
 目は体操座りしたゆらゆらと揺れる膝を見つめているようだった。

「話してくれない?」

「……」

 だけど、喋ってくれそうもなかった。
 これ以上聞くのは無駄なような気がした。

 だけど、私と杏の沈黙を破ったのは意外にも椋だった。これは珍しいことだ。こういう雰囲気では椋は黙ってしまうことが多いのに。

「あのね、お母さん」

「……え?」

 椋の落ち着きを払った声が浴槽にこだました。

「心配かけちゃったことは、悪いと思ってるよ。だけど、これは私とお姉ちゃんが二人で悩んで悩んで、それでも悩んで、ようやく出した結果なの」

 毅然とした態度だった。
 その目は真っ直ぐで、昔のような頼りなさは感じられなかった。
 椋のこの反応は杏も意外だったらしく、驚いたような表情を見せた。

「杏?」

 私の視線が杏へと移動する。
 いつの間にか杏の目も毅然とした輝きを持っていた。

「あたしも椋と同じ。……悪いとは思ってるけど、こうしたことに後悔はないよ」

「だけど、もう心配いらないから」

「……椋」

「もう、全部解決したから」

 二人の目線があんまり真剣だから、あんまり頼り甲斐のあるものだったから。

「……そう」

 反論なんて、できなかった。

「でも……」

 それでも……胸にある小さな痛みは退いてはくれなくて。
 きっと、親バカだなって笑われてしまうような心配事で。

「いつか、話してくれる?」

 悪あがきのような、そんなことを聞いていた。
 椋は小さく笑って、杏だって少し驚いたような表情で。

「……うん」

 そう、答えてくれた。
 杏も笑って、案外近いかもしれないよ? なんて言ってくれた。






     §





 風呂から上がった母さんは風呂場でのことを全部教えてくれた。
 とはいっても、髪を切った理由も今までの少し仲が悪いような雰囲気の原因も、二人は教えてくれなかったらしい。

 寝室、母さんと二人横になり、暗い天井を眺める。窓からは月の青白い光がもれていた。
 自分でもため息をつきたくなるほど情けない声で、母さんを呼ぶ。

「少し、寂しくないか?」

「あの二人、ですか?」

「ああ。こういう時くらい、父親らしさというものを発揮したかったのに。それが全部解決してるなんて言われちゃ、何も言えないじゃないか」

「……あれでですか?」

「あれでだ」

 疑わしいような声。
 繰り返すが私はいつでも本気だ。

「でも、それは私もですよ。特に、杏はあの長い髪を気に入ってくれてたみたいですから」

「心配だよな?」

「……はい」

 小学生くらいの時、杏は髪を伸ばすと言い出した。
 その日の夜も、こうして母さんと話しこんだ。
 母さんは笑って「あれは私の入れ知恵です」といってくれた。

 いつの間にか、杏は長い髪が当たり前になっていた。
 中学生くらいの時か、髪の手入れが大変だとぼやくから、私がもう少し短くすればいいと言った。
 肩くらいまでなら椋との区別はつく。
 だけど、その時は酷く怒られてしまった。
 その日も母さんは笑って「父さんが無神経すぎるんですよ」と諭した。

 椋とて同じだ。
 あんなにもはっきりとした発言は初めて見ると母さんは苦笑していた。
 昔の椋はいつも杏にくっついていたから。
 杏が髪を伸ばし始めたときも椋は自分も伸ばすと言い出した。
 それじゃ意味がないと説得するのが大変だったくらいだ。

 だけど、中学生ぐらいのとき、杏に怒られてすぐ後のことだったと思う。
 「入れ換えてみたらどうだ?」と椋に提案してみた。
 椋がロングで杏がショート。
 悪くないだろ? とほんの気まぐれの提案をした。

 だが今度は椋が不満そうな顔を見せた。
 ショートが気に入ってるだよ、と言っていた。
 そのことについてもやはり母さんは笑って「無神経すぎですね」と言うだけだった。

「いつまでも双子ちゃんではないということか…」

「そういうことですね。まだまだ二人でセットなんて、どこか思っていたのかもしれません」

「……かもな」

 否定しきれないところが、親として恥ずかしかった。
 二人が成長しているところを知る機会は何度もあったはずのに。

「だけど、それも今日で終わりです」

「うん……そうだな」

「でも、父さんらしいじゃないですか。心配して家族会議なんて。
 世間じゃ頭ごなしに叱りつけるって聞きますよ?」

「事情を聞かないことには叱りようがない」

「そこがいい父親なんだって言ってるんですよ」

「そうかね」

「そうですよ」

 暗がりの中、母さんの小さな笑い声が響く。

「あぁ、それと…椋は全部解決したなんていってましたけど、あれは多分嘘です」

 その言葉に驚いてそちらに顔を向ける。
 相変わらずの、すまし顔だった。

「私の勘ですけど、男の子ですよ、原因は。大方、同じ男の子を好きになっちゃったんでしょう。だとしたら、そんなすぐに解決してくれないはずです」

「……」

「最後の最後に似ちゃったんですね……って、父さん、殺意のこもった目はやめません?」

「いや、相手の出方次第では……」

「父さん」

 厳しい声、というより諭す声。
 私はいつもこれに弱い。

「さっき言いましたよ? 二人はもう大人です。変な子連れて来るようなことはきっとないです」

「しかし、騙されてるかもしれないぞ」

「そんな馬鹿な二人でもないです。あれだけ芯の強い子に育った二人が選んだ男の子です。きっと、芯の強い男の子です」

「寂しいな……」

「そうですね。でも、見守りましょう、もう少し」

「うん……」

 しばらくして母さんの寝息が聞こえてきた。
 私はというとまだ睡魔の中にはいるものの、かろうじて意識はあった。

(二人に男……)

 場合によっては藤林家秘伝の名刀・村正が再び血を浴びるやもしれん……。
 というのは半分冗談なのだが、それでも心配だけはやみそうもない。
 いつか来るものだと覚悟はしていたけど、こうして直面してみると寂しいものだ。

「……眠れんな」

 むくりと起き、寝室を出た。
 母さんはもう熟睡しているらしく、起きはしなかった。

 娘の部屋の前に立つ。
 ノックをするが、返事はない。
 入ってみると二人して同じベッドの中で眠っていた。

 久しく見る光景だった。
 別々の部屋がいいと言い出したのはどちらが先だったか、いつのことだったか、もう覚えていない。

 穏やかな寝息を立てていた。
 寝顔だけ見れば二人は子供の頃のままのようで、
 さっきまで母さんと話していたことも、忘れてしまいそうだった。

(何か二人で相談でもしてたのかもな……)

 少しだけ乱れた布団を掛けなおす。

「……双子ちゃんとはもう思わんよ。だけど……」

 同じ布団にくるまる二人を見て、

「仲良くやれよ」

 一言、そう告げた。





 数ヶ月後……。

 杏の髪が大分伸びた頃のこと。
 神妙な顔付きで杏が私を呼んだ。
 会ってほしい人がいると。

「天誅―――っ!!」

「マジか?! それ真剣だって!っ!」

 ズバッ!

「貴様のような男にぃ!娘がやれるかぁ!」

「牙突かよっ!?」

「零式だぁ―――!」

「やめてよっ父さん! 家が壊れるっ!」



 ……まだまだ、私の困惑はやみそうもない。











 終わり










 ________


 あとがき

 昔のSSを見てたらなんだか懐かしくなってしまって加筆修正、うpしてみました。
 もう何年前に書いたか忘れました。多分6年くらい前。

 また暇見つけて更新します……。
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# by nijou-kouki-0326 | 2012-04-29 02:04

謹賀新年

新年明けまして、おめでとうございます。

さて、お久しぶりです。
そして随分放置してすみません…。

今年は放置してきた「ひとひらの桜」をとにもかくにも完結させることを第一目標としたいと思います。

そして、これはmixi日記にも挙げたんですが、

①サークルを立ち上げる

②自前の同人誌を発行する

この二つの完遂を目指します。
オンリーなどの場を借りられたらと思ってはいますが、年内の目標はやはりコミケです。

あとはTwitterつながりの方々との「だーまえオフ」を定例化したいです。
これはブログの主旨とは違うので深くは言及しませんけど。

こんな感じで、今年も楽しくオタクやっていきますとも!
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# by nijou-kouki-0326 | 2012-01-02 22:28 | 徒然なる日記
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